以下は「海外FXのスワップ比較」に関する長文解説です。主に主要業者別のスワップポイントの傾向と比較、通貨ペア別の違い、ロング・ショートの観点からの評価、スワップ戦略における活用法とリスクまで詳述します。
海外FXスワップ比較:業者・通貨・戦略別に徹底解説(長文)
目次
第1章:スワップポイントとは?
スワップポイントとは、FXで異なる金利を持つ2つの通貨を取引した際に、金利差に応じて毎日発生する利息調整金です。
- 高金利通貨を買って低金利通貨を売る → スワップ受け取り
- 逆の組み合わせ → スワップ支払い
FXの利益は通常「為替差益」に注目が集まりますが、スワップも「長期保有の収益源」または「コスト」として重要です。
第2章:スワップの基本ルールと注意点
- スワップは「日またぎ」で発生(NYクローズ時点の保有ポジション)
- 水曜日は3日分(週末分)のスワップが加算される
- ポジション方向(ロング/ショート)により受け取るか支払うか変わる
- 同じ通貨ペアでも、業者・口座タイプでスワップは異なる
第3章:スワップポイント比較【主要海外FX業者別】
ここでは、一般的に利用者が多い以下の業者を取り上げます:
- XM
- Exness
- TitanFX
- BigBoss
- Axiory
- TradeView
- IS6FX
▶ XM
通貨ペア | ロングスワップ | ショートスワップ |
---|---|---|
USD/JPY | 約 +1.9 | 約 -6.0 |
EUR/USD | 約 -6.2 | 約 +1.5 |
GBP/JPY | 約 +3.5 | 約 -9.2 |
特徴:全体的にスワップがやや高め。ロング優遇傾向。取引コストに含まれるためわかりやすいが、スプレッドは広め。
▶ Exness
通貨ペア | ロングスワップ | ショートスワップ |
---|---|---|
USD/JPY | 約 +2.5 | 約 -5.8 |
EUR/USD | 約 -5.5 | 約 +2.0 |
XAU/USD | 約 -9.0 | 約 -7.8 |
特徴:一部のプロ口座でスワップ極小(またはスワップフリー)。変動幅が大きく、日によって異なる。
▶ TitanFX
通貨ペア | ロングスワップ | ショートスワップ |
---|---|---|
USD/JPY | 約 +1.5 | 約 -5.0 |
EUR/USD | 約 -5.8 | 約 +1.2 |
GBP/USD | 約 -2.8 | 約 -0.8 |
特徴:ECN(ブレード口座)でもスワップ条件が明示されており、透明性が高い。マイナスが少なめでバランスが良い。
▶ BigBoss
通貨ペア | ロングスワップ | ショートスワップ |
---|---|---|
USD/JPY | 約 +2.0 | 約 -6.5 |
EUR/USD | 約 -6.8 | 約 +1.5 |
特徴:標準口座ではボーナス・ハイレバが活用可能。スワップはやや不利方向(マイナスが強め)だが、戦略による。
▶ Axiory
通貨ペア | ロングスワップ | ショートスワップ |
---|---|---|
USD/JPY | 約 +1.0 | 約 -4.9 |
EUR/USD | 約 -4.5 | 約 +1.0 |
特徴:スワップは控えめで、極端なマイナスはない。スイング向け。イスラム口座(スワップフリー)申請も可能。
第4章:通貨ペア別のスワップ傾向(戦略の視点)
通貨ペア | 傾向 | 推奨戦略 |
---|---|---|
USD/JPY | ロングスワップ優勢 | 安定して保有可能 |
EUR/USD | ショートスワップ有利 | 下落時のショート保持 |
GBP/JPY | ボラ高+スワップ変動大 | トレンド+スワップ複合 |
TRY/JPY | スワップ+大きい変動 | ギャンブル向け長期戦略 |
ZAR/JPY | スワップ狙いの代表格 | 毎日金利で稼ぐ |
XAU/USD(金) | 両建て・マイナス多い | スワップ狙い非推奨 |
第5章:スワップ差アービトラージ戦略(応用)
異なる業者で同一通貨ペアをロングとショートに分けて持つことで、スワップ差から収益を得るアービトラージ戦略が理論上は可能です。
例:
- 業者A:USD/JPY ロング +2.0
- 業者B:USD/JPY ショート -1.5
→ 両建てしても+0.5のスワップ差益が出る
※ただし以下のリスクあり:
- 規約違反による口座凍結
- 急激な価格変動による証拠金不足
- スワップ条件の突然の変更
第6章:スワップフリー口座の有効活用
業者によってはスワップフリー口座が用意されています。これは本来イスラム教徒向けの口座ですが、条件によっては日本人でも申請が可能。
- スワップなし=金利コストゼロ
- 長期保有・両建て・金CFDなどの戦略に有利
- ただしスプレッド増加・日数制限ありのケースも
第7章:スワップ損益管理のポイント
- スイング・中長期戦略ではスワップが為替益を圧迫するリスク
- マイナススワップが蓄積されると口座資金が減る
- スワップは日次で加算されるため、週末・水曜の持ち越しには特に注意
例:
- TRY/JPYの売りを長期保有 → スワップだけで月▲3万も
- USD/JPYの買いを長期保有 → 月に+5,000円程度の受取も可
第8章:まとめと活用戦略
- スワップポイントは業者選びに直結する重要指標
- 高金利通貨でのスワップ戦略には通貨の安定性も加味が必要
- 業者によってスワップは大きく異なるため比較が必須
- スワップフリー口座を活用すれば、柔軟なトレードが可能になる
- スワップ差戦略やアービトラージにはリスクと制限を理解することが重要